くるみの庭をつくろう

人生に本当に必要なのはくるみの殻のみです。くるカラ.ネットへもどうぞ。

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くるみのインクの使い方

 
ink-kurukaraink.jpg

この春からくるカラ.ネットのラインナップに加わったくるみのインク
皆さん興味津々のようですが、
「一体何に使えるの?」と言ったところですね。

ink-Rembrandt.jpg
レンブラント  くるみのインクによるスタディ 


これは実は、3年前のくるカラと全く同じ状況。
どうりでくるカラも最初は人気がなかったわけです。
使い方が分からなかったのですから無理もありません。

ink-calligraphy.jpg
くるみのインクのカリグラフィーで書かれたマニュスクリプト
古文書の補修や再現にもくるみのインクは使われます



くるみのインクがこれから
皆さんにつかって頂けるようになるかならないかも
当たり前ですが使い方がどこまで広まるかにかかっています。

ink-AllysonMellberg.jpg
アリソン・メルバーグ くるみのインクのドローイング


そんなわけで今日のブログは
くるみのインクの使い方のショーケースです。

ink20110401Quill-h.jpg
くるみのインクの色はゴールドとよくあいます


まず簡単に、くるみのインクがどうやってつくられるのか?
普段くるみの殻と呼んでいるのは実はくるみの種の殻です。
そしてもちろん、くるみナッツとは種の中身、仁です。
樹になっている時は この種の周りを緑の実が覆っています。
この実の部分(と葉っぱ)からインクは作られます。

ink-making.jpeg
緑の実は、すぐ酸化して黒くなります(右下の実)


作り方はいたって簡単、
くるみの種を収穫した後の実の部分を焦がさないように煮て、
できた汁を煮詰めて適当な濃さにするだけ

ink-making2.jpeg
ほとんど料理です


くるみの実を煮ている時は
ごはんを炊いているようなにおいがします。
いや、それよりはもうちょっと「臭い」ですね。

ink-basketbefore.jpeg
バスケット作りにくるみのインクは欠かせません Mountain Musings


この液でほとんど何でも染めることができるんです。
インクとして使う時はこの煮汁をきれいに濾して、
アカシアの樹脂とワインビネガーを入れてできあがり。

ink-trap.jpeg
くるみのインクで煮ることで人間の匂いを消し、
ビーズワックスでサビ止めをした小動物捕獲用の罠



インクという言い方をしていますが、
万能染料と言った方が特徴をあらわしているかもしれません。
紙を染めている時がインク、というわけです。

ink-hair.jpeg
髪の毛を染めるのもポピュラーな使い方


インクとしての特徴は、上の方のレンブラントの絵によく表れています。
「光と影の画家」と言われたレンブラントが
何故くるみのインクを使ったのか?
それは闇のように濃い色から、ごく明るい色まで美しく表現できるから。

ink-PierreSoulages.jpeg
ピエール・スラージュの抽象画


くるみのインクを使った抽象画を沢山描いている
ピエール・スラージュは現代フランスを代表する画家です。
これだけの濃淡が単独で出せる画材はそうはありません。

ink-woolstudiobluedesigns.jpeg
毛糸を染める時も濃淡が楽しめるのがくるみの染料の特徴。媒染も不要です


そしてもう一つの特徴が
どこまでもナチュラルなその色味。
紙や布を古く見せる(アンティーキング)のにもよく使われます。

ink-bunny.jpg
布製の人形をアンティーク風にするのにもくるみのインクが便利 the vintage polka dot


ink-scrapbooking.jpg
Scrapbooking101


一番簡単な方法はくるみのインクを
紙や布にスプレーすること。
金色との組合せは間違いがありません

ink-Triptych.jpg
くるみのインクでアンティーキングしたトリプティック Techniques Zone


少し乾いてからもう一回くるみのインクをのせれば、
だんだんと濃淡が生まれます。

ink-JennB_2011Calendar.jpeg
全体にうすくスプレーすれば変色した紙の雰囲気(中央のカレンダー) Created by JB


ink-FranceChevalier.jpeg
部分的ににじませれば輪染みの感じが出ます Krafty Lady

ink-ErinEndicott2.jpeg
ヒーリング・スートラ #13 by エリン・エンディコット


アメリカの刺繍アーティスト、エリン・エンディコットは
古着とくるみのインクを組み合わせて
ちょっとショッキングな、美しい作品を作り続けています。

ink-ErinEndicott.jpeg
ディテール by エリン・エンディコット


彼女のウェブサイトにギャラリーがあり、
20枚ほど作品写真がありますので
この世界をもっとのぞいてみたい方はぜひ。


ink20110401tagsamp.jpg
くるみのインクを使った様々な手法/単色編 The Scrapbook Storeより


さて、くるみのインクを使った具体的なテクニックの説明です。

最上段、左から右へ
a. くるみのインクをにじませて背景をつくり、その上に更に文字を書くとこうなります
b. 白クレヨンや色鉛筆で柄を描き、上からくるみのインクを吹き付ける
c. 薄めたインクで背景をつくり、その上に濃いインクをたらす
d. 薄めたインクで背景をつくり、その上に食塩を振りかける

中段左から右へ
e. スプレーで吹き付けたり歯ブラシで飛ばしてみる
f. 着色料と混ぜて使う
g. インクで作った背景を漂白剤で白抜きする
h. インクで作った背景に水滴を飛ばす

最下段
i. くしゃくしゃに丸めた紙を薄めたインクにつける


ink-experiments.jpeg
くるみのインクを使った様々なテクニック/カラー編 SQUIDOOより


こちらはカラー編です。

上段左から右へ
j. 薄目のインクを、紙の表面にインクの水滴が少し盛り上がる程度までスプレーし、乾かしてできあがり。さらに漂白剤をスプレーしたり垂らしたりして白抜きの部分を加えることもできる
k. クレヨンでパターンを描き、インクを一気に塗る。水彩色鉛筆と組み合わせても面白い。
l. インクで背景をつくり、乾かないうちに水彩絵の具で色味を加える。更に色鉛筆で白を少し足してみる。

下段左から右へ
m. 濃いめのインクで背景を作った乾かした後、不透明なマーカーで絵や字を書く
n. 薄い背景(次の着色料テクニックを使っても面白い)をまずつくって乾かし、マスキングテープでパターン貼りした上に更にインクをのせる。
o. 着色料や水彩絵の具でまず描き、乾かないうちにインクをスプレーする。


*****************************
・・・と、駆け足でくるみのインクの使い方をご紹介しました。

ink-laundry.jpeg
もちろん木も染められます こんな風合いに染まる染料はなかなか無いですよね


日本でほとんど知られていないのが不思議なほど
歴史も古く、用途も広いものなので
時間はかかってもきっと楽しみ方を見つけて頂けると思っています。

ink-journalpage.jpeg
くるみのインクを使ったスケッチブック


今までに無かった素材ですから
今までに無かった作品作りに一役買えるはずです。
そしてなにかできたら、ぜひブログ等で紹介して下さいね。

ink20110401flowers.jpg
造花も、インクでアンティーキングするとこんな雰囲気になります


by kasuke @ くるカラ.ネット

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Comment

NoTitle 

素敵な色ですね。しかも色んな作品が見られて楽しかったです♪
見落としていたらごめんなさい
このインクは水性と考えて良いんですよね?
乾くと耐水性?
例えば紙に書いたものを濡れた手で触ってもにじみませんか?

なんだか興味津々です
自然から生まれる色って落ち着く気がします

  • posted by miya 
  • URL 
  • 2011.04/18 15:58分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: NoTitle 

to miyaさん

> このインクは水性と考えて良いんですよね?
> 乾くと耐水性?

水性です。耐水性ではないですが、浸透する素材に対してはかなり
しっかりと着色します。毛糸や木綿を染色しても洗えますが、
色落ちは無いわけではないです。デニム生地のような感じでしょうか。
くるみのインクで書いた紙をぬらせば有る程度にじむと思います。

> 自然から生まれる色って落ち着く気がします

僕も久しぶりに絵を描きたくなりました。

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